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木村徳之

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木村徳之(きむらのりゆき) / 建築士

株式会社TOKU設計

コラム

建築士が語る注文住宅の設計料と「設計と監理」の重要性について

2024年3月22日 公開 / 2024年4月24日更新

テーマ:設計事務所に頼むと費用が心配

コラムカテゴリ:住宅・建物

前回設計料について触れましたが、今回は詳しくお伝えします。
一概に設計料と言っても、その設計料の中には沢山の内容が含まれているのです。
先ず大きく分けて二つ「設計料」「監理料」です。
その内容についてご説明いたします。

1.設計料

設計料も大きく分けて二つに分かれます。
基本設計・・・お客様の御要望を聞き取り間取りや外観、構造、設備等を提案し決定する
       ものです。
       机上の作業だけでなく、建築予定地の測量、調査、関係法令、関係官公庁
       との打ち合わせを行い建物の配置や平面図等基本的な内容をご提案します。
       大まかな内容が決定したら、工事に掛かる工事費の概算をはじき出し予算
       の調整を行います。
       お客様にとっても私達建築士にとってもこの段階が
       家を建てる際最も重要な期間だと思います。
       なので「遠慮なくご要望をお伝えください!」
       「ご意見をお伝えください!」
       でないと満足いくマイホームはできません。
       
実施設計・・・基本設計が纏まると、詳細な設計図面の作成に入ります。これが実施設計
       です。
       意匠上の図面をはじめ、構造、設備(電気、エアコン、換気、給排水等)
       の詳細な設計図を作成する作業です。
       途中、設計の内容をご説明し、打合せをしながら進めていきます。
       最終の図面が出来たら、建築費の算出を行い予算を決まます。
       
その他の業務・・・工務店等工事施工者との折衝、工事金額の決定、契約の助言
         確認申請の他関係法令の手続

2.監理料

監理料・・・施工者が決定するといよいよ工事が始まります。
      私達建築士は、
        「工事が設計図面と異なる施工がされていないか?」
        「雑な工事はしていないか?」
      実際使用する材料等の色決め等、工事が竣工するまで監督する仕事です。

では設計料はどのような配分になっているのか?

一般的には全体設計監理料を100とした場合
 設計料・・・70%(うち、基本設計料30%、実施設計料70%)
 監理料・・・30%  となります。

(最近の一般的な住宅での計算例)
 条件:木造2階建て 面積30坪(100㎡) 
    建築工事費= 面積30坪 × 85万円/坪 = 2,550万円(税込)
 
 設計監理料 = 工事費×5%~8%
       = 2,550万円(税込) × 5%~8%
      = 127.5万円 ~ 204万円
       設計事務所に支払う設計監理料の総額です

 設計監理料の内訳
 【設計料】= 設計監理料の70%
      = 127.5万円 ~ 204 万円 × 70%(基本設計料30%、実施設計料70%)
      = 89.25万円 ~ 142.8万円   (基本設計料30% 26.775万円~42.84万円)
                       (実施設計料70% 62.475万円~99.96万円)

 【監理料】= 設計監理料の30% 
      = 127.5万円 ~ 204万円 × 70%
      = 38.25万円 ~ 61.2万円

だから設計・監理は重要なのです。

弊社では全ての設計図面を作成し工事金額を算出してもらいます。
この図面がある事で工務店数社(見積合わせ・入札等)へ見積もりを依頼した場合、
見積内容はほぼ同じになる為(間違いはあるかも...)、工務店の金額の高い安いが
分かってきます。
もし図面が無く(又は少なく)仕様がはっきりしなければ、工務店は不明な点は自分で
判断し金額をはじき出しますので、同じ土俵の見積内容だとは判断できなくなります。
これを防ぐために図面は必要になるのです。

また、図面が無い場合、実際使用される材料等が見積金額と同等の物か判断が不可能になり
ます。高いお金を出して、それ以下のマイホームでは私は...。

監理業務においても、図面を基に節目節目でチェックを行い、工事の状況説明、
図面との相違を施工者へ指摘し、適正な金額のマイホームをご提供いたします。

では、実際の建築工事費は高くならないの?
と思われる方が多いと思います。
次回弊社の工事費についてお知らせしたいと思います。

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