子どもの「親」を育てる

赤木藍

子どもにピアノを続けてもらうため、親としてできること

ピアノライフを素敵にするプロ 赤木藍 [ プロフィール ]

脳科学的にも良いとされているピアノ。ピアノはさまざまな力を身につけられる可能性を秘めています。

●楽譜を見て、上下の音符を同時に読む【目】
●右手と左手で別々のメロディーを弾く【手】
●ときにはペダルを使う【足】
●メロディーや和音を聞いて綺麗な音かを確かめる【耳】
●ときには歌いながら弾くことも【口】

ピアノは、体のいろんな場所を一度に使いながら音を奏でます。
 そして、すべてに当てはまるのが「頭で考え、体で感じている」ということです。 まず音符の種類を見分けることから始まり、楽譜を見てどんな音楽なのかを考え、どんな風に弾いたらその情景が映し出されるのかを想像する。また、右手と左手のバランスはどうか、どんな風に弾くとどんな音が出るのか、聞こえる音は気持ちの良い音だろうか……など。 ただ音を出すのではなく、頭でたくさんのことを考え、体で感じながら弾かなければ、音で人を楽しませる「音楽」にはならないと思います。このようなことで「理解力」「想像力」「同時進行力」などが身についてくるでしょう。

レッスンとなれば、30分は同じ場所に座っていなければなりません。楽譜が読め、気持ちよく弾けるようになるまでも時間がかかります。このようなことで身につくのが「忍耐力」「持続力」です。ほかにも、「次の音を弾くために楽譜の先を読む、段取り力・先を読む力」「集中してから弾き始めるための、気持ちの切り替え力」「一小節にどの音符が何個入るのかを考える、計算力」「楽譜にはどんな記号が付いているのかに気付く、発見力」「 楽譜を丸暗記する、記憶力」など、挙げられる力はきりがありません。また、舞台で演奏することで、「緊張感」「達成感」「満足感」など多くの感情を抱くこともでき、これもまた子どもを成長させることでしょう。

では、さまざまな力の可能性を秘めるピアノを続けるためにはどうしたらよいでしょうか?

それには「親が毎日、一緒に練習に寄り添う」ことが大切です。自ら練習し、技術や感性を磨こうとする意思を持つには、思った以上に大きくなるまではできないことです。もちろん、先生の指導の仕方にかかっているという面もあります。今では教材も多様化していて、先生によって推奨している内容が違いますので、「親」ではなく「子ども」が気持ちよくレッスンを受けられる環境を見つけてあげることも必要です。

しかし、毎日の練習は自宅で行います。その練習に不可欠なのが親の存在です。とにかく少ない時間でも隣で一緒に練習を見守っていてほしいと思います。技術的なことは子どもの方が習得は早く、そのスピードには追いつけません。でも、ピアノがわからくても、レッスンに寄り添い、練習を一緒に見ていれば自然といろんなことがわかってきます。 親がそばにいる必要性は技術的な話ではなく、いつも近くて見てくれて、同じ目標に向かってくれているという安心感を子どもに与え、そして感性をともに磨くということにあると思います。

音楽は誰もが日常触れているもので、弾けなくても「どんな曲なんだろう」と考えることがあると思います。それと同じように、「このピアノの曲はどんなことを表現しているのかな」と子どもと話をしながら情景を一緒に考えることで、子どももお母さんやお父さんと一緒にピアノを楽しむことができます。その時間は親にとっても子どもとのふれあいの時間であり、子どもの成長を感じる大切な時間となるでしょう。

ピアノを継続するには、「何度も弾く」という忍耐も必要になります。忍耐を乗り越えてこそ、さらなる楽しさがあるということは乗り越えられた子どもにしかわかりません。

子どもにピアノをやらせたいと思うのなら、とことんやってみてください。将来、ピアニストになることが目的でなくても、「一つのことを継続していく中で得られるものがある」ということを、ピアノを通して教えてあげてほしいと思います。子供の力は、親の「愛情」があってこそ身につくものだと思います。

ピアノライフを素敵にするプロ 赤木藍 [マイベストプロ岡山」]

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