子どもの「教育環境」を育てる

安田廣志

子どもたちの成長のため、学校と塾が連携を

高校・大学受験対策指導のプロ 安田廣志 [ プロフィール ]

塾講師として、「学校と同じことを繰り返し教えるだけの塾ならば、なくてもよいのではないか」と思いつつ仕事に携わっています。

もし、すべての子どもたちが自主的に判断し学習を進めることができたならば、学校と同じことを繰り返し教える必要はありません。

しかし現状をみると、今の学校の体制ではついていくことができない生徒が少なからずおり、また、今の学校の指導内容では満足できない生徒もいます。そのような需要を満たすために塾は存在しています。

極論を言えば、子どもたちの学習を一か所で、生徒の希望に応じて継続して進めていくほうが望ましいのではないでしょうか。そのほうが子どもにとっても負担は少なくなるし、多様性のある教育を受けることができるのではないかと思うからです。しかし、今すぐに一本化するには現実的には無理です。

せめて情報を共有化して、子どもたち一人一人のニーズや願いを聞き、サポートしてきたいと考えています。そのためには、まず学校と塾が連携し、指導上で必要な生徒の情報を互いに交換し、より効果的に学ばせていくにはどうしたらよいかを一緒になって考えていくことが理想的です。

戦後8回目の指導要領の改訂に伴い、主要教科の英語・数学・理科の授業時間数が20~30%増加しました。それに伴い、来年2011年4月から中学校の教科書が変わります。そして各会社の教科書が具体的に見えてきました。

教科書は、指導要領を見える形に具現化したものと言われます。数学の教科書に注目してみますと、ページ数は50%増、さらに取り上げる問題数は60%程度は増加しています。数字については多少変動があるものの、ほとんどの出版社の教科書はそのような傾向にあります。

新しい教科書は、おそらく増加した授業数でも学校の授業だけではまかないきれないと思われます。それは、子どもたちが自主的に取り組んでいくことを想定して作られているからです。教科書の編集もそのことを意識して、前に取り上げた内容を繰り返し登場させ、定着を図りつつもレベルを上げていくように構成されています。

これは大きな変革です。これまでは「教えたことだけで十分。それ以上は必要がないよ」とのことでしたが、「がんばる人はがんばりなさい。どんどんやりなさい」と言うようになります。

しかし、今の子どもたちを見ていると、そのような教科書を使いこなすことができる生徒は多くはないでしょう。ますます、多忙な学校の先生の負担を多くするだけではないでしょうか。

この機会に、全国約5万といわれる塾の力を利用するのも悪いことではないと考えます。

子どもたちはこれからの日本を切り開く開拓者です。その子どもたちが元気で自信を持って活躍していけることこそが、日本を元気にします。今回の指導要領の大きな転換点を好機とし、一人一人の子どもたちの成長のために学校と民間の教育機関である塾との連携が期待されます。

高校・大学受験対策指導のプロ 安田廣志 [マイベストプロ富山]

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