子どもの「学力・知力」を育てる

木村文俊

「答えを聞く習慣」から「経験する習慣」に

社会人基礎力を高めるプロ  木村文俊 [ プロフィール ]

今後の教育で必要なことを一言で表すとすれば「経験」することです。
これからの社会を想像すると、今よりも便利になっていることだと思います。

しかし、この「便利」が教育にとっては厄介者。「便利」が、人が大切にしなければならない「考える」ことを奪っています。ふと、映画「猿の惑星」の冒頭のように、猿が人を支配している光景が思い浮かぶときがあります。

それは「便利」という猿が、「人」を支配しているのではないかということです。
本来、「便利」なものは、「道具」とすべきもの。今までうまく出来なかったことをやり遂げるため、進化し文明を高めていくため、より良いものを築くために「便利な道具」が生まれました。

しかし、今は「便利な道具」に操られている感さえします。

では、この「便利」という猿に、どのようにして立ち向かえばいいのでしょう。
私の考えとしては、本当に大切なものを考え、価値観を見つめ直し、その価値観に沿って生きていくことです。

教育でいえば、考える習慣から与える習慣に変わってきました。
これは「学ぶ」ことではありません。
学校教育以外にも、家庭や社会、さまざまな場所でその現象は起こっています。

教育の一番大切なことは主体性を育てること。
その次に行うべきことが知識教育ですが、今は完全に逆転しています。

最近よく目にするのが、就職に直面したときに、
就活マニュアルや対策に翻弄された、「自分」を持たない学生の姿です。
「自分が自分を創る」。この意識がないのです。

芸術家の岡本太郎さんは言葉を残しています。
「面白いねえ、実に。オレの人生は。だって、道がないんだ。だからぼくは、"職業は人間だ"と答えてやるんだ。」

つまり、人としての「学び」が必要です。経験したことから気づきを得て考え、考えたことを整理する。整理したことを実践するのかしないのかを選択する。

そして、決めたことを行動する。このサイクルが重要なのです。
時間が経つと、このサイクルの最初と最後では違いが存在していることが分かります。
それが「学び」なのです。

では、大人は何をすればいいのでしょうか。親はどんな役割を果たせばいいのでしょうか。
その答えは先述したことと同じです。

大人が学ぶこと、子どもが学ぶこと、学生が学ぶこと、内容は違ってもみんな同じことです。答えを聞く習慣、答えを言う習慣から「経験」する習慣に変わることが、大きな転換点になるのです。

社会人基礎力を高めるプロ  木村文俊 [マイベストプロ京都]

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