住まいのリフォームや新築を手掛け、地域密着で快適な暮らしをサポート（2/3）

地元の建設会社で、鉄骨造や木造などさまざまな建物で経験を積み独立

　大尼士さんは1971年、倉敷市水島で理容室を営む家の次男として生まれました。子どもの頃は活発な少年で、毎日のように水島地区を走り回っていたと言います。

　「地元の風景は変わってしまいましたが、今でも大体の道は覚えています。そのおかげで、お客さまのお宅へ早くお伺いできるんですよ」

　おかやま山陽高校土木科を卒業した大尼士さんは、製鉄所勤務を経て地元の建設会社に入社。ハウスメーカーや地場の工務店、設計事務所、自治体の発注で、鉄筋コンクリート造や鉄骨造、木造など、構造も用途も異なるさまざまな建物の施工に携わりました。10年間にわたって実務を積み、2002年に個人事業主として「アクアネット」を創業しました。

　「当時の勤務先の上司から、『そろそろ独立したらどうだ』と勧められたのです。その頃、会社の業績は芳しくなかったため、気を遣ってくださったのかもしれません。私自身、いずれは独立する気でいたので、良い機会だと思いました」

　事業を始めたばかりの頃は、勤めていた会社から現場を請け負ったり、既存顧客の仲介で新規を獲得したり、実家の理髪店の常連から頼まれた案件をこなしていました。実直に日々の業務に励み、徐々に評判が広がって依頼も増え、2015年には法人改組に至ります。

　「創業して20年以上たちますが、経営が安定してきたとは思っていません。常に不安でいっぱいですが、だからこそお客さま一人一人と真摯（しんし）に向き合う気持ちを忘れないでいられるのでしょう」

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