施術と相談の両面から体を健康へと導く（2/3）

何度挫折しても起き上がる精神力

　大分市に生まれた森さん、小さい頃は2つ歳下の妹想いの男の子。小学生の頃は体が病弱で、頻繁に高熱を出していたことも、日ごろの健康管理の大切さを訴える理由のひとつです。
　中学生になりサッカーを始めて身体も丈夫になり、一時はプロに憧れたことも。成績も優秀でしたが、将来の具体的な夢がなかったことから手に職をつけるために、大分県立鶴崎工業高等学校へと進学します。
　
　卒業後は、トステム株式会社へと就職し、製造の仕事を行いましたが、ひととおり業務を覚えたことと、将来もずっと働き続けるイメージがわかず、3年後に退職。
　21歳の時に大分へと戻り、様々な派遣の仕事を経験します。本田製作所、豊洋精工、TOTOなどの派遣の仕事や、コカコーラなど、製造業、鉄鋼業、電気業、土木業などあらゆる仕事を経て、非破壊検査の仕事なども経験。「色々な仕事を経験しながらも、『自分にとって一生の仕事は何だろう』と思って過ごしていましたね」
　そんな道に迷っていた25歳の時、転機になる一冊の本に出合います。「『骨盤を前傾させると足が速くなる』という趣旨の内容が書かれていました。もしスポーツトレーナーとしてその技術を身につければ、将来絶対に必要とする人はいるはず」。スポーツトレーナーとして専門的な知識と技術を身に付けて、整骨院を開きたい。
　胸に抱いた夢をすぐに実現したいと思ったものの、当時森さんは諸事情により借金を抱えていました。「まずは返済しなければ学校にも通えない。そう思い、費用を貯めるためにラウンジでボーイをして、接客業を学んだこともあります。今思えば、色んな職種を経験したり接客を勉強したことすべてが、現在通院頂いているたくさんのお客様と接する際に役立っていますね」そう振り返ります。

　ようやく借金も返済して整骨院開業への道を進み始め、31歳の時、九州医療専門学校へ進学。その後、柔道整復師の資格を取得し、それから熊本や北九州などの整骨院で経験を積みましたが、根底にはもっとスポーツトレーナーとしての知識を身につけたいという思いがありました。
　「それから大分の整骨院で解剖学を習得し、福岡のスポーツ整骨院で院長を務めたことで、少しずつ幅が広がりました」。福岡のフットサルチームの選手のスポーツトレーナーとして施術するなど経験を重ね、その後はスポーツ鍼灸整骨院でスポーツトレーナーの知識を更に深く得て、早良区の牟田病院で理学療法のセミナーを受け、39歳で太宰府に整骨院を開業しました。
　しかし、整骨院の激戦区である福岡県においては、思うように集客できず、3カ月で一度店をたたむことに。その後は地元大分へと戻り、再チャレンジとして「憩いの森整骨院」を開業しました。

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