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コラム

増税後に家を買うなら 所得少ないほど得な給付金

2014年2月4日

テーマ:経済・経営雑感

コラムカテゴリ:法律関連

参考リンク:http://www.nikkei.com/money/investment/mandi.aspx?g=DGXZZO6604560029012014000000

参考リンクは消費増税後に実施されるすまい給付金に関するニュースです。
所得が低い人ほどすまい給付金は多くなるということが書かれています。
一見すると所得の低い人は消費増税後に購入する方が特のようにも見えますが、それほど単純なわけでもありません。また、すまい給付金は所得の低い人ほど多くなりますが、だからといって高所得者は消費増税までに購入した方がよいともいえません。事態はそんなに単純に判断できるモノでもないということなんですよね。
まず、なぜすまい給付金なんて話が出てきたのか?これは住宅ローン控除の延長線上にある話なんですよね。住宅ローン控除は税額控除という種類の控除です。基礎控除や配偶者控除、生命保険料控除などの所得控除とは違います。
所得税の計算は総所得金額-所得控除で求めた課税所得金額に税率を乗ずることとなります。これで求められるのが所得税額。そして所得税額から税額控除額を差し引きしたものが年税額ということになります。すなわち税額控除は所得税額が上限ということになるんですよね。
住宅取得に関しては消費増税により負担が増えることになります。しかも相当に高額に。だから消費増税による需要の落ち込みを少しでもやわらげるために住宅ローン控除を拡充するということをやります。住宅ローン控除の上限を年間20万円から40万円へ。しかし、住宅ローン控除は税額控除のため、年間20万円以下の所得税額の人にとっては、なんら恩恵を受けることがないんですよね。したがって、このゾーンの人へも住宅取得の負担を緩和させるという必要があって実施されるのがすまいの給付金。これは住宅版給付付き税額控除の簡易版ということになります。
さて、じゃ消費増税前に購入するのか消費増税後に購入するのがいいのかどちらが特になるのか・・・。だからこれはその人の状況によって変わります。どちらが説くかに影響を与える項目は、まずその人の所得の状況。そして購入される物件。それから購入する資金をどうされるのか、全額借入なのか、頭金を入れるのか、少なくとも、これだけの項目によってどちらが特なのかの判断になることになります。だからケースバイケース。専門家に相談されることをお薦めします。だって、個別ケースとしての相談は税理士以外が行うと税理士法違反になりますから。
ただ消費税導入時と前回の消費税率引上げの際には、消費増税後の値引きが大きかったんですよね。それを考えると・・・。

この記事を書いたプロ

久乗哲

経営改善・金融交渉を支援するプロ

久乗哲(税理士法人りたっくす)

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