日本の医療を世界につなげる架け橋に。世界の医療格差をなくす活動に尽力（3/3）

自走できる仕組みづくりを目指し、地域医療を担う中核病院建設プロジェクトが始動

　近年、「BRIDGE」で進めているプロジェクトがあります。ブラジルの南マット・グロッソ州パンタナールで、地域医療を担う中核病院を開設するというもので、関さんらは、高知大学と共同で人的・資金的サポートを行っています。

　「建設地のパンタナールは、豊かな生態系を有する湿原が広がり、観光地として知られる風光明媚な場所です。病院では、公的医療サービスを通じて地元住民に貢献すると共に、メディカルスパを併設し、富裕層のニーズにも応えていく予定です。美しい自然の中で、先進的な医療を展開する施設を運営して経営を安定させ、日本の支援に頼らずとも、ブラジル国内で自走できる仕組みを整えることが目標です」

　将来的には研修の場として利用するなど、医師を育てる役割も果たせるようにしていきたいと展望を描きます。
　「無医村に病院をつくることで、多くの人が安心して暮らせるようになります。ここパンタナールを、世界から医療過疎地をなくす出発点とするには、みんなで協力していく必要があると思っています」

　新型コロナウイルスの影響を受け、延期されていた現地での活動も2022年から再開。今後は、オンラインで取り組みについて講演したり、進捗や現状などを報告したり、情報発信にも力を入れていきたいと話します。

　「誰もが不安なく、健やかな生活を送るための第一歩が、ブラジルで動き出しています。全ての人に等しく医療を届けるために、一人でも多くの方にご支援いただけますと幸いです」

（取材年月：2022年11月）

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⇒耳鼻咽喉科医として長年の臨床経験の中で培った診療技術