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北條智之

口腔インプラント学の修士号を持つプロ

北條智之(ほうじょうともゆき) / 歯科医師

北上インプラントデンタルオフィス

コラム

インプラントは一生ものなのか?

2023年9月5日

テーマ:インプラント

コラムカテゴリ:医療・病院

インプラントを検討している方で、インプラントがどれくらい長持ちするのか気になるかもしれません。長期的な投資と考えた場合、答えは「YES」です。インプラントは長期投資資産としては素晴らしい成績を残しています。科学的にインプラントの寿命はおよそ15年とされており、適切なケアを行えば患者さまによっては一生ものと言えなくはありません。

口腔インプラントの生存に関して2つほどご紹介します。1つ目は、単一のインプラントメーカーを20年間にわたって調べたものです。延べ12,500本についてなされた研究によれば対象インプラントの93%が17年間生存しました※1。

2021年、1人の歯周病専門医によって管理を受けた患者らについての報告があります。対象患者数約4200人、対象インプラント数約11,000本におよびます。24年間、記録を取り続け、94%のインプラントは15年間維持されました。この報告については追加検証が必要ですが、2008年に出された研究では、20年間の調査期間中に患者自身の寿命を迎えた例があったされています※2。人間の寿命を考慮すればインプラントの能力は高いことが示唆されます。

ただし、インプラント自体の生存率が高くとも目に見える部分、すなわち上部構造の寿命についてはインプラントそのものよりも短いです。インプラントの上部構造に関する論文は数が少ないのですが、修理や作り直しが必要になるだろうと考えておいて間違いありません。インプラントを優良な投資にするために、以下のことを考慮するとよいでしょう。

〇 禁煙や日頃の規則正しい生活を心掛ける
〇 定期的なメインテナンスを受ける
〇 修理しやすく、セルフケアのしやすい上部構造設計にする
〇 インプラントトラブルに対応してくれる歯科医院を知っておく

最後に、インプラントは手術そのものよりも手術前と手術後の準備やケアが欠かせません。日常的にインプラント治療の準備やケアを行っている歯科医院は、その分経験も豊富となり成功率も高くなります。

※1 Mischa Krebs 1, Kai Schmenger, Konrad Neumann, Paul Weigl, Walter Moser, Georg-Hubertus Nentwig  
Long-term evaluation of ANKYLOS dental implants, part i: 20-year life table analysis of a longitudinal study of more than 12,500 implants
※2 Per Astrand 1, Jan Ahlqvist, Johan Gunne, Hans Nilson
Implant treatment of patients with edentulous jaws: a 20-year follow-up



ALL-ON-4上部構造画像

使用するインプラントが少ないため、1本でもトラブルがあれば安定性を失うリスクがあります。
上部構造についても、フルアーチ(1つのブリッジ)なので修理や再製作となるとかみ合わせの全てを一度に失う可能性があります。

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