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コラム
発達特性を持つ子どもの理解
2022年10月6日 公開 / 2022年10月7日更新
10月5日と12日の二日間、宝塚市立総合福祉センターで開催されました、
「子どもの心を理解する講座 発達特性の理解と関わりについて」という講座に
参加してきました。
講師の石原先生がご自身の経験に基づく考えをわかりやすく話してくださり、
大変勉強になりました。
最初に驚いたのは、現在では発達特性を持つ子どもの割合が医療統計では約10%、
先生の見立てでは20~30%だということです。
なんと統計の2~3倍の数になります。
この数字には、診断が下りるほどでもない、いわゆるグレーゾーンの
子供の数も含まれていますが、それでも驚きです。
そして、不登校になっている生徒の多くにこのグレーゾーンの生徒が
いるとのことです。
例えば、人間関係でうまくいかず不登校になる生徒が、実はASD傾向の
特性があり他人の気持ちを理解するのが苦手だったという場合などです。
発達特性の特徴は別の機会に書きたいと思っていますので今回は割愛しますが、
持って生まれた特性が影響して様々な対人関係や行動面で問題となり、
不登校になるということです。
次に、なるほどと納得したことが、就学前にがまんを覚えることは非常に
大切であるということでした。
学校というのは、ストレスを体験する場所であり、がまんが必要な場所で
あるからです。
就学前はがまんをさせずに過ごし、小学校に入って集団行動のルールを
押し付けられると子どもはどうなるでしょうか?
特に、発達特性を持つ子どもならおおよその結果が想像できます。
また、小さい時から泣くのでスマホの動画を見せておとなしくさせることを
続けてきて、学校に行くようになってスマホをばかり見ているので、
止めさせたいと言ってもなかなか止めることはできないと思われます。
小さい我が子にがまんをさせるのは辛いと感じることもあるかと思いますが、
状況に応じた対応を検討することが大切ではないでしょうか。
最期に、興味深かったのは、友だちがいない場合や周りから変わっていると言われる
ケースの場合、その子どもはそのことについて困っているかどうかが重要であるということです。
困っているなら手を差し伸べて、困っていないならそのままでいいということでした。
私個人として「その通り!」と賛同しました。
困っていない子どもを勝手にかわいそうとか、友だちは必要とか思うのは
大きなお世話であり、おせっかいではないでしょうか。
昔、私の教室にも友だちは特に必要ではなく、一人が好きな生徒がいました。
中学時は友人関係で不登校となり、転校して何とか高校に入学したのですが、
担任の先生がクラスメイトにその生徒に話しかけるよう指示を出し、生徒自身には
友だちと弁当を食べるように伝えました。
結果、その生徒はまた不登校となり、せっかく頑張って受験して入学した高校を
退学する結果となりました。
その生徒は、本心から一人で良かったのです。
友だちは欲しいけど、話が合わないので今の学校では特に必要ではない、
無理して話を合わすとまたしんどくなって学校に行けなくなると話していました。
同じことは担任にもお母さんから伝えていたのですが、担任の先生は
一人ではかわいそう、友だちは必要だという思い込みでこのようなことに
なってしまいました。
学校教育と個人の特性を尊重するということは難しい面もあります。
学校とは、集団で標準化された学習を行う場所であり、個別対応を
主とした場所ではありません。
しかし、できる限りの配慮を行い、個別対応も行うことが求められています。
そうなると、先生に今まで以上の負荷がかかることになるため限界があります。
そのためにも、民間と共同してできる限り多くの生徒が同じ場所で学ぶことができる
環境を作っていくことができればと考えています。
学校、行政、民間の役割と強みを生かして教育が行われることができればと考えています。
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