川口誠プロのご紹介
思い出の品の寿命を伸ばす、修理専門の時計職人(2/3)
メンテナンス次第で、孫の代まで残せる機械式時計
時計には機械式と電池式があり、オーバーホールを含む本格的な修理の依頼は機械式が多いそうです。「機械式時計の良いところは、メンテナンスさえしっかりしておけば、50年、60年使えるところ。親から子へ、子から孫へと受け継いでいくことができます」。実際に祖父や祖母の形見として譲り受けた古い時計を、店に持ち込む若い人が増えています。「使い方を知らなかったり、動かない時計をもらって困っていたりといろいろです。修理して動くようにするだけでなく、奇麗に洗浄して返すと、とても喜んでいただけます」
長寿命の秘密は部品に隠されています。「歯車やほぞなどの部品は、職人の手で作り出すことができます。歴史が古いので、中古部品も数多く存在します。逆に電池式時計は、コンピューターが故障すると職人の手には負えません」。また、発明当時から変わっていない時計理論の奥深さや、デジタル式が登場しても重宝されるアナログ式時計の存在に「機械式時計の魅力を感じる」と川口さんは言います。
店舗での取材中、約2時間の間に6人のお客が時計を持ち込みました。川口さんは取材を受けながら要領よく修理をこなします。ベルトの調整など簡単なものは1、2分で完了。時間のかかる品は、名前と連絡先を控えて預かります。預かった時計を分解すると、「このお客さんか。前に修理したな」と川口さん。続けて「顔を見ても、名前を聞いても思い出さんのに、時計を見ると思い出すんですよ」と照れくさそうに笑いました。
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